case.02 脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)
脳動脈瘤について
脳動脈瘤は頭の中の血管にできるコブのようなものです。場所や大きさや形によって破裂するリスクが異なります。破裂するとクモ膜下出血という病気になります。
当院での治療方法
クモ膜下出血を起こされた破裂脳動脈瘤の治療に際しては、再破裂予防の観点から極力早急に手術を行っています。血管内治療(カテーテル治療)によるコイル塞栓術と開頭術による動脈瘤頸部クリッピング術のいずれも行える環境であり、病状と年齢などを考慮して治療方針を検討しています。
未破裂脳動脈瘤については、原則的に日本脳神経外科学会や脳ドック学会のガイドラインに基づいて、即時治療すべきか継時的なMRAフォローアップが好ましいかの選択肢をご提案しています。治療を希望される際には、動脈瘤のできている部位・形態・大きさなどを考慮して、血管内治療および開頭術の特徴・利点・欠点などをご説明したうえで、患者様のご希望を優先して方針を決定しています。ただし、明らかにいずれかの治療方法が好ましいと考えられる際には、専門医としての観点から優先順位をご提案しています。
最近のデバイスの技術的進歩により、血管内治療をお勧めする方が増えており、より難易度の高い動脈瘤にも対応できるように、2017年11月に最新の血管撮影装置を備えたIVR専用室がオープンします。
開頭術によるクリッピングに際しては、その正確性と周辺血管の確認のために、術中蛍光造影剤ICG注入法をルーチンに用いています。
年間40~60例の手術を行っています。2018年までの20年間で1000例を超えました。